Smith & Mighty interview (1991)

雑誌『remix』1991年9月号に掲載されたSmith & Mightyインタヴュー。
先鋭的なリスナーの間でカルト的人気を誇るブリストルのスミス&マイティは、ダブ感覚を持つアーティスト&プロデュース/リミックス・チーム。カールトン、フレッシュ4、ネナ・チェリーの他多くの作品を手掛けている。宇野正展氏が現地で取材してくれた。
——まず結成のいきさつから聞かせて下さい。
RS(ロブ・スミス) 88年頃ブリストルでSweatというバンドを一緒にやってたんだけど、2人とももっとマシーナリーなサウンドに興味を持ち始めていたから、自分達のスタジオを作ってやってみようか、ということになったんだ。
——スミス&マイティ(以下S&M)としての最初のシングルは何んだったのですか?
RS 「Anyone」が最初なんだけど、実はそれ以前にMark Stewartが出したシングルの中に彼が作詞、僕らが作曲したものがあるんだ。ちょっと妙な話なんだけど、Markが曲を聴きたがってるんだと思ってそのカセットをあげたところ、ナント、彼はそのカセットからレコードをプレスしちゃったんだ。でももっと可笑しいのは、そのカセットの上に歌を重ねて入れたんでヒス・ノイズが凄いんだ(笑)。「Stranger Than Love」という曲だよ。
——スタジオを作ったのはいつ頃?
RS 4年ほど前かな。でも、24チャンネルを入れたのは今年なんだ。
——S&Mと言えば「Walk On」の頃のような凄く堅いスネアの音が今でも印象的ですが……。
RS リズムに関しては3種類のマシーンを使っているんだけど、その1つ、ローランドのドラマティックス(TR-606)に非常にシャープな“キッ!”という音があって、とにかく気持ちいいんだ。
RM(レイ・マイティ) レゲエにもよくそういうのがあったよね。もともとあるスネアの音をさらにエンジニアが持ち上げてやったりしてね。
RS そこにリヴァーブをかけると、また“ッカー!”という感じになってね(笑)。
——音楽面で影響を受けたアーティストはいますか?
RS ブリストルにずっといたからかもしれないけど、The Wild Bunchからの影響は大きかった。あとはオールド・レゲエ、Shakaサウンド・システムなんかも挙げられるね。
——やはりレゲエからの影響は大きかったですか?
RS 2人が出会う前からRayはサウンド・システムでレゲエをかけてたし、ボクはレゲエ・バンドでギターを弾いていた。いつもそうやってレゲエの中に身を置いてきたから、現在のS&Mサウンドも「今のビート」と「78年頃のレゲエ・ビート」のミックスみたいになっているんだ。
——ブリストルでサウンド・システムが盛り上がり始めたのはいつ頃のことなんですか?
RS もう随分昔になるけど、76年頃かな。この年はパンクの影響で黒人と白人が音楽的に1つになった年だと思うんだ。当時多くのパンク・バンドがレゲエのサウンド・システムと一緒にツアーしたことで、黒人と白人の間の境界線がなくなったんだ。
——話をレゲエに戻したいのですが、S&Mのサウンドにはダブの影響もかなりあるのでは?
RS もちろん。ダブはずっと好きだった。むしろレゲエよりダブのほうが好きなぐらいだ。あの奇妙なサウンド・エフェクトが、予想に反して入ってくるのが面白い。
RM とにかくベースとドラム。他のものはその間のスペースを埋めるために入ってくるだけの付属品だ。
RS 好きなアーティストはScientist、Mad Professor、彼のプロデュースしたダブ・シャカ・アルバム、ピュア・ケミスト、あとはAdrian Sherwoodかな。
——ダブにしてもレゲエにしてもドラッグとの密接な関連があると思いますが、自分達の音楽にドラッグは不可欠な要素だと思いますか?
RS ノー。そういうふうには考えたくないね。ジョイント(マリファナ)は僕にとって1つの生活習慣であって、音楽的にそれに依存しているとは考えたくないんだ。
——日本にいるとS&Mの活動状況がいまいち掴めないんですが?
RS 89年のクリスマスまで僕らはインディペンデントなレコード・レーベルをやっていたんだけど、結局経済的な理由やスタジオ機材をより充実させるためにメジャーと契約したんだ。でも引き換えに活動の拘束が増えたんで、今は何んとかブリストルでもともと持っていた自分たちのペースに戻そうとしているんだ。具体的な活動としては、Banderasのリミックスをしたり、『The Hard Sell』のようなローカルな活動を少ししてる。あと僕らには子供がいてね。そう、それだ。子供の世話、最近僕らがしていることと言えば (笑)。
——レーベルの話が出たところで、FFRRはS&Mにとって少々ポップなレーベルだと思いますが……。
RM いやあ、どこの会社もポップだよね(笑)。当時オファーがあった3社の中で、1番おとなしそうなのを選んだつもりなんだけどね(笑)。
——S&Mのシングル、アルバムのリリース予定を教えて下さい。
RS シングルはきっと近い将来、アルバムも近い将来(笑)。実は全然決っていないんだ。スケジュールをキチッと立てるのが性に合わないんでね。仕事、仕事っていうのが好きじゃないんだよ。
——最後に日本のファンに一言。
RM ハ〜イ!
RS 日本に行きたいよ。あとMilo(DJミロ)に会ったらヨロシクね。
インタビュー NOBBY STYLE (宇野正展)
RS(ロブ・スミス) 88年頃ブリストルでSweatというバンドを一緒にやってたんだけど、2人とももっとマシーナリーなサウンドに興味を持ち始めていたから、自分達のスタジオを作ってやってみようか、ということになったんだ。
——スミス&マイティ(以下S&M)としての最初のシングルは何んだったのですか?
RS 「Anyone」が最初なんだけど、実はそれ以前にMark Stewartが出したシングルの中に彼が作詞、僕らが作曲したものがあるんだ。ちょっと妙な話なんだけど、Markが曲を聴きたがってるんだと思ってそのカセットをあげたところ、ナント、彼はそのカセットからレコードをプレスしちゃったんだ。でももっと可笑しいのは、そのカセットの上に歌を重ねて入れたんでヒス・ノイズが凄いんだ(笑)。「Stranger Than Love」という曲だよ。
——スタジオを作ったのはいつ頃?
RS 4年ほど前かな。でも、24チャンネルを入れたのは今年なんだ。
——S&Mと言えば「Walk On」の頃のような凄く堅いスネアの音が今でも印象的ですが……。
RS リズムに関しては3種類のマシーンを使っているんだけど、その1つ、ローランドのドラマティックス(TR-606)に非常にシャープな“キッ!”という音があって、とにかく気持ちいいんだ。
RM(レイ・マイティ) レゲエにもよくそういうのがあったよね。もともとあるスネアの音をさらにエンジニアが持ち上げてやったりしてね。
RS そこにリヴァーブをかけると、また“ッカー!”という感じになってね(笑)。
——音楽面で影響を受けたアーティストはいますか?
RS ブリストルにずっといたからかもしれないけど、The Wild Bunchからの影響は大きかった。あとはオールド・レゲエ、Shakaサウンド・システムなんかも挙げられるね。
——やはりレゲエからの影響は大きかったですか?
RS 2人が出会う前からRayはサウンド・システムでレゲエをかけてたし、ボクはレゲエ・バンドでギターを弾いていた。いつもそうやってレゲエの中に身を置いてきたから、現在のS&Mサウンドも「今のビート」と「78年頃のレゲエ・ビート」のミックスみたいになっているんだ。
——ブリストルでサウンド・システムが盛り上がり始めたのはいつ頃のことなんですか?
RS もう随分昔になるけど、76年頃かな。この年はパンクの影響で黒人と白人が音楽的に1つになった年だと思うんだ。当時多くのパンク・バンドがレゲエのサウンド・システムと一緒にツアーしたことで、黒人と白人の間の境界線がなくなったんだ。
——話をレゲエに戻したいのですが、S&Mのサウンドにはダブの影響もかなりあるのでは?
RS もちろん。ダブはずっと好きだった。むしろレゲエよりダブのほうが好きなぐらいだ。あの奇妙なサウンド・エフェクトが、予想に反して入ってくるのが面白い。
RM とにかくベースとドラム。他のものはその間のスペースを埋めるために入ってくるだけの付属品だ。
RS 好きなアーティストはScientist、Mad Professor、彼のプロデュースしたダブ・シャカ・アルバム、ピュア・ケミスト、あとはAdrian Sherwoodかな。
——ダブにしてもレゲエにしてもドラッグとの密接な関連があると思いますが、自分達の音楽にドラッグは不可欠な要素だと思いますか?
RS ノー。そういうふうには考えたくないね。ジョイント(マリファナ)は僕にとって1つの生活習慣であって、音楽的にそれに依存しているとは考えたくないんだ。
——日本にいるとS&Mの活動状況がいまいち掴めないんですが?
RS 89年のクリスマスまで僕らはインディペンデントなレコード・レーベルをやっていたんだけど、結局経済的な理由やスタジオ機材をより充実させるためにメジャーと契約したんだ。でも引き換えに活動の拘束が増えたんで、今は何んとかブリストルでもともと持っていた自分たちのペースに戻そうとしているんだ。具体的な活動としては、Banderasのリミックスをしたり、『The Hard Sell』のようなローカルな活動を少ししてる。あと僕らには子供がいてね。そう、それだ。子供の世話、最近僕らがしていることと言えば (笑)。
——レーベルの話が出たところで、FFRRはS&Mにとって少々ポップなレーベルだと思いますが……。
RM いやあ、どこの会社もポップだよね(笑)。当時オファーがあった3社の中で、1番おとなしそうなのを選んだつもりなんだけどね(笑)。
——S&Mのシングル、アルバムのリリース予定を教えて下さい。
RS シングルはきっと近い将来、アルバムも近い将来(笑)。実は全然決っていないんだ。スケジュールをキチッと立てるのが性に合わないんでね。仕事、仕事っていうのが好きじゃないんだよ。
——最後に日本のファンに一言。
RM ハ〜イ!
RS 日本に行きたいよ。あとMilo(DJミロ)に会ったらヨロシクね。
インタビュー NOBBY STYLE (宇野正展)
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