[03] REGGAE music in 80s

現在はMassive AttackのメンバーであるDaddy Gは、The Wild Bunchの一員としてUSから輸入したヒップホップやハウスに、ファンクやソウル、そしてレゲエをミックスさせていた。More RockersのPeter DとNiji 40はLokko(Loco?)というレゲエのサウンド・システムでディージェイを務めていた。他にも2Bad(のちにBjörkと恋仲になり、彼女にNellee Hooperを紹介したプロデューサー/リミキサー、Dom Tがメンバー)、City Rockers、UD4(Roni Sizeの兄が在籍)、FBI Crewというヒップホップの集団やサウンド・システムが活動していた。残念なことは、これらのある種、学習と実験の記録の多くが未だレコードになっていないことだ(後に80年前後のレゲエはコンピレーションにまとめられている)。
※こちらで当時のUKサウンドシステムの稼動状況をご覧になれます(1981年の『NME』から/ソース:http://www.uncarved.org/dub/index.html)

1981 / 12" / RECREATIONAL →DSZ:ストック検索
1. Dole Age (Extended Version) / 2. Free Speech (Extended Version)
白黒混合のパンキー・レゲエ・バンド。Black Roots、Restrictionと並んで、80年前後のブリストル・レゲエ.シーンを牽引、ローリング・ストーンズのブリストル公演ではフロント・アクトも務めた。このデビュー・シングルは全英インディ・チャートで最高9位にランク。タイトル曲は「Black And White Cafeでの警察の嫌がらせ(後に暴動へ発展)」をサウンド化。正統的なレゲエながら、パンクのコンピレーションに収録されるなど、幅広い支持を得る。プロデュースはUK ScientistことRichard Grassby-Lewis(Startled Insects/彼は後にThe MoonflowersやThe Wild Bunchも手掛けた)。次のシングル『Run Come Girl / Wicked Dem』を最後にキーボードのBill Bartlettが脱退し、『Freedom City』プロジェクト(下記Zion Bandの項参照)に関わっていたChris Potterが参加する。
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当時のインタヴューでベーシストDenniはこう語っている。「バンドをはじめたとき、ブレンダンとビルについて、セント・ポールズの連中から『なんで白人と一緒にやってるんだ?』と言われた。だから、おれたちの間にコミュニケーションがない時期があった。協調しようとすることなく、ただプレイしてた。知り合ってからは魔法が効いたんだけどね」。またBrendanは「白と黒は交わらないんだけどさ、おれたちは互いのことを、ミュージシャンとして、人間として一緒にやらなきゃならないんだと考えるようにしたんだよ。良い時間をだったし、すごくいい流れだと思うよ」と語っている。

81年当時のBlack Roots

1983 / LP / KICK →DSZ:ストック検索
1. The Father Survival / 2. Juvenile Delinquent / 3. What Them A Do / 4. Opportunity / 5. Tribal War / 6. Africa / 7. Move On
セント・ポールズで現在も営業を続けるNubian Recordsをベースにしていた、ジャマイカ生まれの6人と、バース、ニューポート出身のメンバーからなる8人組。EPは81年にリリース済みだが、アルバムは83年の本作が初。現在ではUp, Bustle & Outの作品にも参加しているラスタファリアンRas Jabulani(Jabulani Ngozi)もメンバー。
【関連テキスト】Jabulani(リズム・ギター)とErrol Brown(パーカッション/ヴォーカル)のインタビューをwww.makasound.comから翻訳・転載しています
» Black Rootsインタヴュー

1993 / LP / NUBIAN RECORDS →DSZ:ストック検索
1. Juvenile Delinquent / 2. What Them A Do / 3. Survival / 4. Confusion / 5. Move On / 6. Release The Food / 7. Mash Them Dub / 8. Opportunity / 9. Tribal War / 10. Africa / 11. The Father / 12. Chanting For Freedom / 13. Let It Be Me / 14. Jah Jah Dub
93年発表の通算8作目。「目覚め、何かをするべきだ」という啓発のメッセージを込めた1からコンシャスなメッセージが、当時の英国的なサウンドで演奏されます。MatumbiやSteel Pulseが好きな人なら是非、聴いて頂きたい名作です。プロデュ-スでDub Judahが参加。レコーディングは後にMassive Attackが常宿とするCoach House Studio。

Restriction(中央がRob Smith)

1982 / 6trks 12" / UNITONE →DSZ:ストック検索
1. Freedom City / 2. Babylon / 3. Babylon Dub / 4. Twelve Tribes / 5. Twelve Tribes Dub / 6. To See Your Smile
Rob Smithが在籍していたバンドの唯一のEP。同タイトルのミュージカルの為に編成されたバンドが1年間のトレーニングで生んだ18曲の中から選ばれた6曲を収録。数100枚のみプレスされ、関係者とツアー先のみで販売された超・稀少盤。ジャケットはシルクスクリーン。メイン・シンガーのNoel Smith、Pauline Hindsがミュージカルでも主役を務めた。このバンドの主要メンバー(Mark Spence、Andrew Clarke、Rob Smith、Basil Anderson)は、この後Restrictionを結成する。バック・ヴォーカルのJackie Jacksonは、後にSmith & MIghtyにも参加する。» 詳細

1983 / 4trks 12" / RESTRICTION →DSZ:ストック検索
1. Action / 2. Four Point Plan / 3. Restriction / 4. Re-Action
Zion Bandの発展型。ライヴではエンジニアをDave McDonald(Portishead)やNellee Hooperも担当。このEPではMad Professorがミックス。パンキッシュ、ニューウェイヴというにはレゲエ過ぎという、この時代らしいブリストルの音。パンクとの交流もあったMad Professorらしい、とんがったミックスを披露。トロンボーンには、ジャマイカからブリストルへ移ってきたVin Gordon(Cultureはじめ名演多数)が参加。» 詳細

2011 / CD&LP / BRISTOL ARCHIVE
Black Roots / Joshua Moses / Talisman / Restriction / The Radicals / Sharon Bengamin / Buggs Durrant / 3-D Production
1978年から83年にかけて遺されたブリストルのレゲエを集めたコンピレーション。ライヴ音源や貴重なリリースを含む14曲中11曲が初デジタル化。 » 詳細

1980 / 2trks 7" / THIRD KIND →DSZ:ストック検索
1. Riot / 2. Re-Arrange (Version)
パンク・バンドThe SpicsのメンバーJohn Cartley作。同年にセント・ポールズ地区で起きた暴動についても触れられている。» 詳細
関連リンク
■ROB SMITHインタヴュー
■BLACK ROOTSインタヴュー
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