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PINCH Interview (2005)

PINCH 2005

ブリストル発、現在はダブステップのシーンを多く紹介しているNICK GUTTERBREAKZのブログに掲載されている、2005年2月のPINCHへのインタヴューを翻訳しました。まだレコードをリリースする前で、このインタヴュー後に開いたイヴェントはフロアに30人も居ない(ちなみに今年は1000人over!)という時期の、熱意に満ちた貴重な発言です。
――DJを始めてどれくらいになるのですか?

だいたい4~5年かな。最初はドラムンベースのDJをブリストル周辺でときどきやったり、ニューポートで毎月やってた。ニューポートが僕が育ったところで、ブリストルには7年前に移ってきたんだ。

――それは興味深い。多くのグライムやダブステップのDJがドラムンベースのシーンから出てきています。あなたはなぜドラムンベースから移ったんですか?

多くのプロダクションがジャンプアップ方面に傾いていったのに退屈したんだ。僕はミニマル・エレクトロニカとかダビーなテクノ(BASIC CHANNEL系全て)にどんどん興味を惹かれてることに気付いたんだ。

――どんな風にダブステップに変遷していったんです?

ガラージには興味は持っていて、ときどき買ってはいたんだ。ZED BIASとかMJ COLE、もうちょっとしてからグライムもいくつかね。ブリストルにはガラージのちゃんとしたシーンがなかったし、ジャングル/ドラムンベースを買ってたせいで財布も厳しかったから、まぁ深入りはしなかったんだ。ダブステップを発見したのは、ロンドンの伝説的なFWD>>で、友達何人かで行ったときだね。VEX'DのJAMIEも一緒だった。そこですぐにヤラれた感じ、音に催眠術にかけられたみたいにね。ドラムンベース、ガラージ、ダビーなテクノ、それにある程度ヒップホップやエレクトロニカまで、僕の音楽的な興味の要素が全部入ってたんだ。

――では、それがあなたを触発して、ダブステップをブリストルでスピンするようになったわけですね。それはいつくらいのことですか?

CONTEXTって名前のイヴェントをやるようになったのが、去年の初めくらい。アイデアは、僕が紹介したいと思った音を新しい人たちに紹介するってこと。エレクトロニカやダブで始まって、ダブステップに、ときにはブレイクス/ブロークン・ビーツにいって、最後はダビーなドラムンベースって感じで、他のヘッズを新しい音に引っ張っていけたらいいなと思ってた。何回かやってくうちにダブステップがどんどん増えてきて、みんなもだんだんのめり込んでいってる感じがしたよ(僕はこれまでLOEFAH、CYRUS/RANDOM TRIO、VEX'D、SEARCH & DESTROY、DISTANCE、SLAUGHTER MOBをCONTEXTに呼んだ)。それと、友達のTOMが働くROOTED RECORDSに、レコードをロンドンから運んできたりもした。HOTFLUSHやDMZの盤を、FWD>>に行く途中に集めて、車に詰め込んでね。
この時点で、地元のグライムDJのBLAZEY(彼もCONTEXTでプレイした)と一緒にやるようになって、協力してこうって決めて、ワンオフのSUBLOADEDってイヴェントをTHEKLAでやったんだ。ダブステップで始まって、夜じゅうをかけてだんだんプログレッシヴにグライミーになっていってさ(KODE 9、GEENEUS、PLASTICMAN、VEX'D、EASTWOOD、RENEGADE BOYSが僕とBLAZEYと一緒にやった)。
それからCONTEXTを何回か(去年末まで)やったんだけど、クラブが、土曜日にやるにはダークすぎるってことで終わった。土曜日にはトランスをやってほしかったんだって。

――とにかく、あなたはブリストルのダブステップに健全なサポートをしているわけですね。2005年はどこでやっていくのでしょう?

もっとダブステップをプレイできるんだったら、どこでも。3月10日にはTHE CROFTで、LOEFAHとSKREAMを呼んでワンオフのイヴェントをやるよ(入場料は12O円)。それからCONTEXTはLEVELのイヴェントDRIVE BYの地下フロアを毎月ホストする。それから、僕も関わる大きなダブステップのオールナイターが4月15日にTHE BLACK SWANであるよ(TOXIC DANCEHALLのプロモーターで、去年VEX'DをホストしたPUNKSIと一緒にやる)。詳細はまた。でも信じてほしいんだけど、これはでっかくなるよ。

――ブリストルで他にダブステップをプロモートしてるDJや場所はありますか?

ダブステップに捧げるようなイヴェントはないね。でも何人かは興味を持って、ときどきかけてる。TRIACもそうだね。だいたいルーム2って感じの状況で、だけどね。

――THINKINGのすばらしいMIXをDRUMZ OF THE SOUTHで聴いたのですが、彼のことは知っていますか?

THINKINGは一緒にFWD>>に行ってたよ。今ではすっかりハマってて、ブロークンビーツやブレイクスと一緒にプレイしてる。

――自分の曲をプロデュースしたりはしないのですか?

僕と30Hz(ダブステップでは自身をP. DUTTYと呼ぶ)でスタジオに入って、テッキーなダブステップのヴァリエーションのビートをガンガン鳴らしたよ(30Hzがテッキーなブレイクスのプロデューサーでもあるし)。それと、いま自分自身で作業中の断片がいくつかあるよ(KODE 9、LOEFAH、CYRUSがかけてくれてる)。

――ダブステップが、ここブリストルで確実な支持基盤を持ちつつあるという印象を強く受けます。この街のオーディエンスにはダブステップに自然な親近感のようなものがあると思いますか?

僕は、ダブステップがブリストルという街にばっちりハマる音だと思ってた。音に満足できる暗闇を載せる緊張感があって、でもレイジーでもある。ノるために激しく踊る必要もない、生まれながらにしてガンジャ向けなんだ! ドラムンベースのヘッズも大勢聴いてるよ、MC JAKESも好きだし、TCやAMOもさ。

――よりグライム寄りなサウンドについてはどうですか? そういうスタイルもプッシュしていきたいと考えますか?

いままでもBLAZEYとバック・トゥ・バックをいっぱいやってきたし、ダブステップvsグライム的な音には入れ込んでる。グライムのエネルギーを維持したまま、そこにダブステップが持つ深さを加える、的なね。2005年にはもっと追求できるといいなと思ってるんだ。

――世界中の人々がこの音楽に興奮してると思うのですが、だからこそ、どうしてTEMPAやDMZというレーベルがネット販売をしないのかが不思議なんです。アンダーグラウンドの物をサポートする合法のサイトもいくつかあるし、露出して収入を得るためにも、そのほかの販路も持った方が良いと思いませんか? 海外のリスナーは、ダウンロードができればより買う方向へ傾くと思うし、いまや本当に多くのDJがヴァーチャル・ターンテーブルを使っています。ダブステッパーたちがヴァイナルにこだわることの意識的な決意みたいなものがあるんでしょうか?

ほとんどのダブステップのレーベルがオンライン販売をしないのには2つの面での理由があると思う。DIGITAL MYSTIKZ、LOEFAH、それにRANDOM TRIOのような何人かのアーティストは本当にヴァイナルが好きなんだ。彼らはCDからはプレイしないで、ヴァイナルかダブプレートだけをプレイする。ヴァイナルの方がCDより音が良いと信じているからだと思うんだけど。ちょっと変だけど、僕も、プレイする時にヴァイナルに触れることで生まれる(CDにはないような)何かを信じてる。音楽にエッジを加えてくれる……音に直接触っているみたいな感じというか(くだらないってわかってるけどさ!)。
もうひとつの理由は、よく分からないけど、レーベル・オーナーたちが、インターナショナルなマーケットや金もうけを考えていないからなんじゃないかなと思う。ほとんどのダブステップのレコードは、その音への愛からリリースされてる。多くのリリースが普通300~400枚くらい売られるという感じ。でも君は正しいと思うよ。ネット販売は金銭面の休息を与えてくれるだろうからね。

――最後に、ダブステップを信じない人たちに簡単にアピールしてください。

ダブステップの音はジャングルのヘッズ、ヒップホップのヘッズ、ガラージのヘッズ、グライムのヘッズ、エレクトロニカのヘッズ、オープンな耳の持ち主みんなにアピールすると思う。ハードコアが全てをちょっとづつ含んでいたように、ダブステップも全てを含んでる(完全に別の方法で)。僕はここ何年も持っていなかった情熱をもって、ダブステップを愛してる。

Interview by Gutterbreakz, 17/FEB/2005 訳: E-JIMA


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