SAM BINGAが選ぶブリストルの10曲 #BS06SB

相棒Rider ShafiqueをMCに、11月15日から全国6ヵ所の日本ツアーを行うSam Binga。彼に、恒例の「ブリストルの10曲」を選んでもらいました。曰く「初めて聴いた時に息をのんだ曲」リスト。
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Killa各種
……という記事を数年前に書いて、その続き。上に貼ったのはBryan Geeの92年2月終わりのプレイから。ここでは33回転のままピッチを上げてます。昨日のロブとの呑みでも話題に上げたSmith & Mighty「Killa」の45回転でのプレイの実践。多分この日ではないけれど、実際に行っていたレイヴでKrustがコレの展開に気がついて「やばいよやばいよ」と呼びに来たらしい。...アクシデントが革命を生む
a very first Smith & Mighty tune (1985?)
Ray MightyがFacebookにアップしていた、Smith & Mightyの最初期の音源。1985〜86年、「Brain Scan」と同時期の録音とのことだが、おそらくこちらの方が先に作られていたトラックだろう。Mark Stewart/On-U Soundを彷彿とさせる音響と、シンプルなトラック、そしてRobの演奏によるギターの混ざり具合が既にオリジナル。
1st or 2nd track me and Rob ever did about 85-86… Sorry about the hiss but it was mastered on a cassette without dolby… and we didn’t use a computer…..enjoy. Casio CZ-101 Roland SH-101 Roland TR-707 and Rob on guitar.
——Ray Mighty (from Facebook)
Smith & Mighty interview (2000)

Smith & Mighty、2000年の来日インタヴュー。雑誌『LOUD』より。
「ドラムンベースの魅力はなんといっても重低音のベースの音にある。この重低音の凄みを体験した者ならわかると思うが、本当に強烈なベース音というのは腰よりも心臓を「ブーンブーン」と直撃する。特にレゲエやダブからの影響を強く受け、路上のサウンド・システムで鍛え上げられたブリストルのベース音はドラムンベースはもちろん、ムーディーなダウンテンポのブレイクビーツであってもヤワになることはない。それがブリストルで育った証というヤツなのだ。そして、この低音王国で80年代はじめから街角にサウンド・システムを出して、若者たちにぶっといベース音を提供し続けてきたDJチームが3ストライプ・サウンド・システム、現在のスミス&マイティなのである。彼らは街の広場にスピーカーを積み重ね、青空の下で即席のパーティーを開きベースをブンブンいわせてきた。しかも毎年7月になると街から程近いグラストンベリー・フェスティヴァルにサウンド・システムを持ち込み、当時のレイヴ・カルチャー(つまりジャングル・サウンド)の中でベースとドラムの鍛錬にいそしんできたのである。そしてその腕前をブリストルの街角で再び披露することでロニ・サイズなどの若手を誕生させるきっかけを用意したのだった。だから、ロニ・サイズはマッシヴ・アタックよりもスミス&マイティからの影響をはっきりと告白している(エレキング誌17号より)。しかもだ、彼らは80年代の初めから現在に至るまでシングル「エニワン(バート・バカラックのカヴァー)」(88年)と「ステッパーズ・デライト」(92年)そしてアルバム『ベース・イズ・マターナル』(95年)の3作品しか公にリリースしておらず、音楽的には大した成功をおさめていないわけだが、しかしそれでもブリストル・サウンドの中では計り知れない影響力を持った存在なのだ。それはブリストルの路上で彼らのベース音を体験したもの皆が知っていることである。
Rob Smith呼びかけによるブリストルのホームレス救援コンピ

V.A. - All Kinda Styles
https://rsdbristol.bandcamp.com/album/various-artists-all-kinda-styles
Rob Smithが発起人となった、クリスマス・ギフト・コンピレーションがbandcamp上でリリース。7.5UKポンド(約1060円/12/21現在)で30曲収録のコンピを購入できる。収益の全額が、ホームレスのためのシェルターと食料を提供する〈Caring In Bristol〉プロジェクトに寄付される。
http://caringinbristol.co.uk/donate-this-christmas
参加アーティストはブリストル内外の、Rob Smithと交流ある面々。急なオファーにも関わらず参加を快諾した面々にリスペクト。
PinchとAddison Grooveによるお酒Mezky販売開始

PinchとAddison Grooveが音楽制作と並行して取り組んできた、メキシコ特産蒸留酒“メスカル”のブリストル版=Mezkyが遂に完成。オンライン・ショップで購入が可能となった模様。We have worked hard to bring together various complimentary expressions of agave distillate and age them in fine quality white oak Islay malt whisky quarter casks. The result is a harmonious balance between two worlds of ancient smoky spirit productio
http://www.mezky.com/
Jah Wobble's Invaders Of The Heart - Amor (1994)


Jah Wobble's Invaders Of The Heart
Amor
1994 / 12" / Island Records / 12 IS 602
a. Amor (The More Rockas Mix)
b. Amor (Kingston Lic)
1994年、コレクティヴ“More Rockas Association”として両面のリミックスを担当した12インチ。A面はRob Smithが、B面はRoni SizeとKrustが変名でリミックス。どちらも、Ashley Road Studioで同時期に制作したそう。この後、“More Rockers”と改称して活動を本格化していく。
Smith & Mighty interview (1991)

雑誌『remix』1991年9月号に掲載されたSmith & Mightyインタヴュー。
先鋭的なリスナーの間でカルト的人気を誇るブリストルのスミス&マイティは、ダブ感覚を持つアーティスト&プロデュース/リミックス・チーム。カールトン、フレッシュ4、ネナ・チェリーの他多くの作品を手掛けている。宇野正展氏が現地で取材してくれた。
Freshblood - The Freshblood Featuring....EP (1994)


Freshblood
The Freshblood Featuring....EP
1994 / 12" / Freshblood Records / FBLDX009
featuring Paul Jennings; Da British Younggunz; Richy D; Freshblood MC; Dr Rods; Spikey C; Krissy Kriss; Dan Ratchet; Corri B; Squinty B
a1. The Secret (Freestyle Mix)
a2. The Secret (Freshblood Ratchet Mix)
a3. The Secret (Younggunz Mix)
b1. The Secret (Freestyle No Rap Mix)
b2. The Secret (Freshblood Shiney Mix)
b3. The Secret (Freestyle Instrumental)
Patrick Hart (Freshblood MC)、Mikie Rods (D-Rods)、Rob Spike Collins (Squinty B)、Dan Ratchet、Hermano (Andrew)によるヒップホップ・グループFreshbloodが地元のラッパー&シンガーを迎えて制作したEP。 当時PVも制作している。
[mix] 3PM on Galaxy 101 FM (1993)
3PM (DJ Lynx / Krissy Kriss / Kelz)による、Galaxy 101でのラジオ放送。1993年、先日発売された『The First Stroke』ど真ん中の時期。
The Bristol Sound Grows 'Massive' - Billboard (1995)

アメリカの音楽業界誌『Billboard』1995年4月15日号に掲載された、ブリストルの音楽の特集記事。「Trip-Hop Steps Out」「Prolific Scene Profits From Diversity」「Jungle's Beat Grows On」というタイトルの3本で、インディ・ギターからドラムンベースまで幅広く紹介。
Nick Warren (Way Out West)、Pip (Cup Of Tea Records)、Trstan B (Galaxy 101)、Deli G、Ben Dubuisson (Purple Penguin)、John Stapletoon & Ian Dark (Def Con)、Mat Haynes (Sarah Records)、Nial Joyce (Pop God label)、DJ Dazee、Roni Size、3D (Massive Attack)らのコメントの他、業界誌ならではな裏方(クラブ/レーベル従事者など)からの言葉も興味深いです。
Fire Fox & 4-Tree - Warning (1994)

Fire Fox & 4-Tree
Warning
1994 / 12" / Philly Blunt Records / PB002
a. Warning (Powder Mix)
b. Warning (Roni Size Mix)
V Recordingsサブ・レーベル。Roni Sizeの変名=Fire Foxと、Roniの兄Karl Williams=4-Treeの共作。
KarlはZion Band〜Restrictionのメンバー(途中で脱退)。ヒップホップの時代には、RoniとのクルーLazertronicとして、Sister Redzらとも活動した。その後にはサウンドシステム/スタジオDiditek(Di Di Tec)を運営。KrustやSuv、Dieらが行なっていたベッドミンスターでのスクワット・レイヴ(Fresh 4『Wishing On A Star』MVに登場する場所)にはDiditekをハイヤーしていたという(そのエンジニアがRoni)。
Smith & Mighty - Bass Is Eternal (unreleased)

Smith & Mightyがメジャー・レーベルからリリースすると噂されていた未発表アルバム『Bass Is Eternal』(Eternalは単なる誤植で本来からMaternalだったという説もある)。当時のインタヴューや雑誌記事を見ると、1990年に発売されるという記述があったり、94年にはリリースされるとインフォメーションが出されていたが、契約はそのまま終了となり、陽の目を見ることはなかった。しかし何故か、トラック・リストが今もAmazonのデータベースに残されている(1995年10月5日にポリドールから日本盤が発売される予定だったのか?)。その後、本来のサウンドを取り戻した彼らは、『〜Eternal』に対するダブのような『Bass Is Maternal』を、自身のMore Rockers Recordsから1995年に発表する。
ここでは、Amazon掲載のトラックリストをRob Smithがデータ化していた音源etcから再現し、2月のBS0radioで『Bass Is Eternal』をフル紹介しながら行なったRobへのインタヴュー文字起こしを掲載する。
Bass Is Eternal
1. Remember Me ft. Marilyn McFarlane
2. Something Real ft. Jackie Jackson
3. Learning To Live Again ft. Marilyn McFarlane & MC Kelz
4. Time ft. Felix & Marilyn McFarlane
5. No Reminiscing ft. Jackie Jackson & MC Kelz
6. The Way We Feel ft. Marilyn McFarlane and Felix
7. Evolve
8. Drowning Man ft. Felix
9. Always Be There ft. Marilyn McFarlane
10. Open Your Heart ft. Marilyn McFarlane
11. Maybe For Now ft. Gina Foster
12. Hardly Wait ft. Gina Foster
13. Trains And Boats And Planes ft. Jackie Jackson
14. Bass Is Maternal ft. John Lawrence
Smith & Mighty - Pride & Prejudice (The Way) (unreleased)
幻のアルバム『Bass Is Eternal』に収録予定だった曲。ヴォーカルはMarilyn McFarlaneとFelix。99年発表の2ndアルバム『Big World Small World』には、ヴォーカルにAlice Pereraを迎えたアップデート・ヴァージョンが収録されている。未発表のヴァージョンではJackie Jacksonが歌っているものもある。